2022年1月26日 by admin
グローバル・スタディーズⅠを行いました
○日 時 令和4年1月26日 水曜日 6・7限
○場 所 HR教室(オンライン)
○対 象 2年生全員
○講 師 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター 岩田久人先生
「野生動物の健康を評価する環境毒性学」というテーマで講義をしていただきました。冒頭に、愛媛大学沿岸環境科学研究拠点(LaMer)の歩みと活動内容について説明があり、講義の本題に入りました。
まず、「リスク」というのは「ある」か「ない」かではなく、連続的な数字で表されること、化学の世界に置き換えて考えると曝露量と有害性を把握する必要があることを学びました。そして、化学物質のリスクに関わる要因には、環境要因と遺伝要因があり、化学物質のリスク評価には遺伝要因の理解が不可欠であることを講義していただきました。
講義の後半では、ロシアのバイカル湖に生息するバイカルアザラシの大量死の原因となった環境汚染物質(=ダイオキシン類)について学びました。岩田先生ご自身が研究を重ねるうちに、ダイオキシン類の毒性発現メカニズムが解明され、バイカルアザラシがダイオキシン類に対して感受性が高く、高いリスクに曝されていたことが分かりました。産業の発達と共に我々人間の生活は豊かになりましたが、生物多様性保全の観点からも野生動物への影響を正しく評価し、行動することの重要性を学ぶことができました。