2022年11月30日 by admin
SDGs伊豫学の授業を行いました
○日 時 令和4年11月30日(水)6・7限
○場 所 各HR教室(リモートによる実施)
○対 象 1年生122名
○講 師 愛媛大学教育学部 小助川元太 先生
日本古典文学を研究され、最近では「室町前期の文化・社会・宗教」や「合戦図」、「平和の世来るか-太平記-」等の書物を著わされている、愛媛大学教育学部の小助川元太先生に、「『予章記』を読む」と題して講義をしていただきました。本日のテーマは、「1.物語から見えてくるものは何か? 2.歴史(史実)と文学(物語)の違いは?」です。『予章記』とは、伊予河野氏の家伝で、神話時代から室町時代の河野氏の通史を記したものです。『予章記』の始祖伝説1-越智益躬の鉄人退治伝説-では、特に、益躬が鉄人の足の裏の弱点を発見して退治する場面がとても痛快で面白く、みんな先生のお話に聞き入っていました。『予章記』の始祖伝説2-河野通清誕生-では、神との間に生まれた子、河野通清誕生の話は、ギリシャ神話のヘラクレス誕生の話などと同じであるというところがとても興味深いものでした。また、鎌倉時代の僧で時宗の開祖、一遍上人は、伊予の豪族河野氏の出身で河野通尚と称したことや鎌倉中期の伊予の武将である河野通有は、誰もが見たことのある「蒙古襲来絵詞」にも描かれていることに驚きました。湯築城は、伊予国守護河野氏の居城であることなども教えていただきました。後半は、河野の人たちは、益躬の鉄人退治伝説や通清の誕生伝説を信じていたのだろうか、益躬の鉄人退治伝説からわかることはどのようなことだろうかについて、みんなで考えていきました。最後に、史実は、記録として残っているものからわかる客観的な出来事の情報であること。一方、歴史を題材とした物語は、記録や伝承(言い伝え)をもとにのちの時代の人が解釈したもので、その作品を書いた作者・筆者の思いやその時代特有の味方を反映しているものである、とまとめていただきました。そして、『予章記』のような作品は他の地域にはなく、『予章記』は伊予(愛媛県)が誇るべき古典文学であることを教えていただきました。
小助川先生のお話から、史実と歴史をについて考え、史実と物語の違い、地域の歴史を知る意義、古典文学を読む意義等について考えを深めることができました。小助川先生、本日は、分かりやすく、内容を解説していただき、興味深いお話をたくさんしていただき、大変にありがとうございました。
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