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松山ユネスコ協会長賞を受賞しました

2014年12月4日 by admin

第10回「心の中に平和」作文コンクール審査結果

第10回「心の中に平和」エッセイ・作文コンクールに、小学校から高校まで 計157編の応募がありました。
10月19日(日)に松山ユネスコ協会事務室において審査が行われ、本校2年3組 篠﨑 恵 さんが「松山ユネスコ協会長賞」を受賞しました。

「カンボジアでボランティア」
高二の夏休み、私は小学生たちに音楽を教えるボランティアをするために、カンボジアを訪れた。
カンボジアの村の子どもたちは、音楽を知らない。ポルポト独裁政権時代の教育の制限が影響して、今も音楽を教えられる先生があまりいないため、音楽を教育される機会が少ないのだ。
私たちはまず、音階を音あてゲームや体操で分かりやすく教えた。現地の子どもたちはドレミすら知らなかった。それでも根気よく何度も教えると、みんなだんだん分かってきて、楽しくなってくる。次第に笑顔が増えてきて、まぶしかった。高学年の子には鍵盤ハーモニカの弾き方を教えた。音楽の楽しさを分かった子どもたちは、休憩時間に自主的に練習してくれた。カンボジアの子どもたちは本当に素直で、嬉しいと照れるし、楽しいとはしゃぐ。こんなに自分に正直でいられる子たちを見ると、私たちも自然に笑顔がこぼれた。
このボランティアに参加して私が感じたのは、途上国に一番必要なのは「教育」だということだ。もちろん、お金や物資の支援も必要かもしれない。しかし、それだけでは不十分だ。カンボジアでは音楽を知らない子どもたちがたくさんいると知って、外国から学校に楽器を寄付してくれる人はたくさんいるそうだが、楽器だけもらって使い方は教えられないので、結局使われることなく埃をかぶってしまうそうだ。今回、高学年の子に鍵盤ハーモニカを教えたのは、彼ら自身が下の子どもたちに教えられるようにするためだ。知識は、受け継ぐことができる。
私は今まで発展途上国にあまり興味を持たなかった。正直、ボランティアでなければカンボジアに行きたいなんて一生思わなかったことだろう。カンボジアに行くと決めたときも、学校の友達には「カンボジアって大丈夫なの?」 と訊かれた。やはりマラリアや地雷のイメージばかりがあるのだろう。元気な子どもたち、陽気な大人たち、のんびりとした風景、歴史ある遺跡の数々など、誇れるようなところがたくさんあるのに。私と同じ年代の子たちで、途上国、東南アジアの魅力を知っている人たちがどれだけいるだろう。「どこの国に行きたい」と問われると、きっと多くは欧米などの有名な国を答えるのではないだろうか。今の私は、それを悔しいと思う。途上国にだってたくさんの魅力があるのに、知らない人のほうが多いであろうことが。
今日は、海外に興味を持つのは当たり前の時代になった。もっと多くの若者が途上国にも関心をむけるべきだ。私たち先進国の人間が支えなければならないことだってまだまだあるのだから。自分たちだけが平和に暮らせることで満足するのもいいかもしれない。しかし、平和をみんなで共有すれば、今まで以上に実のある人生を歩めるのではないだろうか。そうしていつか世界中から、「途上国」という言葉がなくなりますように。

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